粘液からわかること

病理検査としては粘液を染める際、PAS染色とAlcian blue染色が主戦力として使用され、

例えば、組織型不明の腫瘍に対して粘液染色を施行することで、

粘液を証明し「腺癌」ということができます。

 

しかし、臨床検査技師の試験合格を目指すのであれば、これだけの理解では足りないようです。

 

まず粘液の種類について整理します。

 

間質性粘液(mucoid)

  • ヒアルロン酸 結合組織に多い。
  • コンドロイチン硫酸 軟骨基質に多い。
  • ヘパリン 肥満細胞に多い。
上皮性粘液(mucin) 酸性粘液

スルホムチン

食道腺、気管支杯細胞、子宮頸管腺 etc.

シアロムチン

気管支腺、小腸杯細胞、尿道腺バルトリン腺 etc.

中性粘液

胃底腺、Brunner腺

 

そして、それらの検出法について

特殊染色名 陽性像 染色態度
PAS染色 赤紫 いずれの粘液にも陽性
Alcian blue (pH2.5)染色

中性粘液は陰性

酸性粘液(シアロもスルホも)は陽性

Alcian blue (pH1.0)染色

中性粘液は陰性

酸性粘液(シアロもスルホも)は陽性

高鉄ジアミン・Alcian blue染色

シアロムチンを青、スルホムチンを黒に染色

 高鉄ジアミン・Alcian blue染色は二重染色法です。

 いつか重染色標本についてまとめて投稿しますね。

 

最後に粘液を検出する意味や利用法について少しご紹介します。

 

まず、粘液の中でも特徴的なのは中性粘液とそれを検出するPAS染色です。

正常細胞では中性粘液を分泌するのは体の中でブルンナー腺と限定されますが、

中性粘液を産生する腺癌が胃以外から発生することはよく知られているところです。

PAS染色により中性粘液を産生する腺癌を同定、診断することができます。

 

また、大腸の粘液形質については左右差があるということも

最近報告されていて興味深いところです。

・・・どういうことかと?

簡単にいうと

大腸の粘液は主にスルホムチンとシアロムチンですが、

右側(盲腸、上行結腸)のほうが、シアロムチンの含有率が高いと報告されています。

そして、左右差の話は粘液形質だけでなく、

癌が発生した場合の、癌の遺伝子型治療法にも通じています。

 

このように「粘液形質」の同定から病気の診断や研究につながるという事実は

とても興味深いところですね。

 

 

 

 

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